“慣れ”は禁物。
モロンダバからアンタナナリブに戻る時のこと。
タクシー・ブルースも3回目と、ちょっと小慣れてきた私たち。
前回の席はものすごい寒かったので、今回は運転席の隣の一番前の席を確保した。
途中、楽しげに動画を撮ったり、かなり余裕も見せ始めていた時のこと、
後ろから誰かが叫び(フランス語)車が止まった。そして数名が車を降り始めた。
この状況は、今まで何度となく見て来ており体験していた。
そう、これは野原でおしっこの合図。
私たち2人も助手席から降り、さてさてと場所を探しに行こうとしたら、背中の方から「ガシャリ」という音が聞こえたかと思うと、すぐにブゥゥーンという音と共に、車が走り去って行ってしまったのである。
私は唖然としてしまい、しばしこの状況がつかめなかった。
「えっ何? 行っちゃうとか…ありえるの?!」(心の叫び)
一足早くこの状況を把握した友人は、
「やばい。やばい、やばい!!!」と言い残し、車を追いかけて行った。
この時すでに18時をまわり、あたりは薄暗くなり始めていた。
残った私は、他にも降りた人たちがいたはず、と見ると…3人。あれ?それっぽっち??
やばい!もしや、このひとたち。ここで降りる人たちなの?!!
私のやばいメーターが一気に上がった。
すると、車を追いかけて行った友人を見た彼らが、私に向かって「大丈夫」らしき言葉を言ってきた。
「OK? OK??」と聞くと、「ウィ、ウィ」と言うので、OKなのか…そうか、と頭で理解はできたが、それでもこの状況がやはり受けとめきれず、「何がOKなんだぁー。」と叫んでしまった。
少しして、友人が戻って来たので、その旨を伝えたら、
他の3人と話してくれ、どうやら車は戻ってくるようだと。
ちょっと、どっか寄ってるんだって。(なんじゃそら)
いよいよ日も暮れ、辺りは真っ暗。
待つしかないのである。
あぁ、トイレと思って出ただけに、車の中にはバックはもちろん腹巻きまで入っているのだ…つまりパスポートとか、カードとか。うぅ。。
もし、車が来なかったら…いや、来たとしても…とか、そんな事を考える時間がありすぎて、不安がMAXに上り詰めてしまった。さらに周囲には物乞いと蚊がうろうろして、苛立まで加わり本当にもう嫌。泣。。
そして、待つ事1時間半、やっとタクシーが戻って来た。
ヤターーー!
他の3人が早速と、私たちのことを笑い話のように乗車していた人たちに話して聞かせていたが、
むしろ、その笑い声さえ、ほっとしてしまった。あ〜、良かった。ほんと。
この日は、あまりの精神疲労に夕食に挑む気がおきず、
このご飯好きの私が、夕食をバナナですませてしまうなんて。
それくらい、疲れた。